一灯塾創設

「一灯塾のすすめ」

塾長 武部  勤

はじめに

昭和の碩学・安岡正篤先生は「現代人は真の理想を求める心が乏しい。たくましい研鑽努力の気概が見られない。そのことが現代日本の昏迷の原因であり、他の国の不信を招く。この現象はすなわち衰退の象徴である」と指摘された。

あれから幾年月経つことだろうか。すでに昭和は遠く去り、平成も二十有四年、わが国は舵無き船の如く漂流し、国民の憂慮はいよいよ深みをますばかりである。

この昏迷に活路を拓くべく、ここに一灯塾を創設し、同じ志をもつ人たちの参集を求めることとした。以下、「一灯塾」の修学原理と修学五カ条を示す。

 

修学原理

一灯塾は「一灯照隅、万灯照国」を修学の目標とする。

すなわち一つの灯りをささげて一隅を照らす。この気概と勇気と覚悟を以て専心努力すれば、必ずや共鳴する人たちが現れてくる。

一灯は二灯となり、二灯は三灯となり、やがて地域一円を照らす

数多くの灯りとなり、ついには国全体を照らす万灯となる。そのためにはまず自ら始めなければならない。自分自身が灯りにならなければならない。灯りとは、チョウチンを持つことではない。チョウチンならば吹き消されたら真っ暗になってしまう。自らが発光体になるのだ。

 

江戸後期の大儒・佐藤一斎は「百年すとも再生の我なし。それ曠度すべけんや」と書き記している。二度とない人生、どうしてむなしく日々を過ごせようかという意味である。

その尊い人生を覚り、われ一灯とたらんとする心意気と奮闘努力によって、自らの人生を輝かせていこうではないか。

省みてわが国固有の伝統・文化思想に思いを馳せ、これを発揚し、真に諸外国から尊敬される「日本国らしい日本国、日本人らしい

日本人」を回復し、道義国家・日本の実現を誓い合おうではないか。

※曠度・虚しく日を過ごす意。

 

修学五カ条

一、   志を立て学問に励む。

二、   交友を広くして世界の潮流を読む。

三、   徳を養い礼節を知る。

四、   父母に孝行し子弟を愛する。

五、   日本の伝統・文化思想を大切にする。